会長の挨拶

わが広島県は,東西約130㎞,南北約120㎞に及び,東は岡山県,西は山口県,北は島根県及び鳥取県に接し,南は瀬戸内海に面しています。気候は地域差が大きく,温暖な瀬戸内から積雪のある県北部まで変化に富み,日本の縮図とも言われています。

沿岸部は,穏やかな海と大小さまざまな島が織りなす美しい風景が特徴で,島々を繋ぐ橋を自転車で渡るサイクリングやウオーキングも人気となっています。

中国山地沿いには多くのキャンプ場やスキー場があり,気軽にアウトドアや,ウインタースポーツが楽しめ,四季折々の花や紅葉が広がる景観も壮観です。

年間の降水量は,中国山地沿いでは約2,300ミリですが,沿岸部や島嶼部では1,200ミリ前後と少なくなっています。しかしながら平成26年8月の広島市豪雨災害や平成30年7月の西日本豪雨災害などは,皆様の記憶に新しいところだと思います。このように広島県は地質的に土砂災害に弱いと言われています。

人口は,約275万人となっていますが,本県でもほとんどの市町で65歳以上の人口が14歳以下の人口を上回っており,特に山間部や島嶼部において少子高齢化が進捗している状況です。

このような中,消防団は県内全ての23市町に設置され,広島市の8消防団を含め,30消防団,団員数約20,000人で,発災時における消火・救助・避難誘導等の活動はもとより避難所運営支援や地域行事の警備など様々な活動をしているところです。

これからも災害の様相や社会環境の変化に伴い,消防団に求められる役割は,さらに多様化していくと考えられます。特に,「消防団を中核とした地域防災力の充実強化に関する法律」を受け,消防団が中核となり住民,自主防災組織,学校,企業等多様な組織が適切に役割分担しながら連携し,地域防災力の強化を図っていかなければなりません。

広島県消防協会では,訓練指導員・女性消防団員などの研修事業やポンプ操法・規律訓練などの大会事業,消防団員の募集・PR活動・福利厚生事業等々の各事業を通じて,消防団活動の充実強化を図り,住民や地域の安全・安心を確保するため一層努力していく覚悟でございますので皆様のご支援・ご協力をよろしくお願いします。

公益財団法人 広島県消防協会
会 長  延 近 敬 弘